勧学祭とは?
勧学祭は、新しく小学校に入学する子どもがよく学び、よく遊びながらすくすくと成長することを願うお祭りです。勧学とは「学問を奨励する」意味であり、小学校からはじまる学びの時期が見事に成就し、事故や病気などに遭わないよう心身健全に成人することを祈願します。
勧学祭は小学生だけ?
勧学祭の対象者は、神社によりまちまちです。多くの神社では小学校へ新入学する子どもを対象に勧学祭を開催しますが、中学校~大学までを対象とする神社もあります。
- 幼稚園、保育園
- 小学校
- 中学校
- 高校
- 大学
なぜ新入学児童を対象とする神社が多いのかというと、小学校への入学は人生の中でも特別な節目だからです。
幼稚園、保育園、小学校、中学校、高校、大学や専門学校などさまざまな学びの段階があります。そのどれもが重要な節目であることに違いありませんが、中でも小学校入学は本格的な学びのはじまり。小学校、中学校と義務教育を経て、さらなる学びの高みへと至るきっかけです。人によりその過程はさまざまですが、本格的な学業のはじまりである小学校入学から学業を終えるまでの期間を健康に、求めに応じて修められることを勧学祭で祈念します。
勧学祭の対象者は神社によって異なるため確認しましょう。
人生儀礼
神道では、古来より続く人生の節目に神社を参拝して子どもの健やかな成長と家族の健康などを祈願する風習があります。この世に生を受けてから還るまでにたくさんの節目(人生儀礼)がありますが、現代において小学校入学は、子どもが生まれてから成人するまでに経験する初宮参り、七五三、十三参りや成人式などと比べて勝るとも劣らない大きな節目です。初宮参りから大きく育ったわが子の成長を氏神様に奉告し、改めてこれからの時間の無事を祈りましょう。
ランドセル持参で参列する神社も
勧学祭では、ランドセル持参で参列する神社も多くあります。ランドセルは小学生にとって重い教科書をできるだけ少ない負担で運ぶ手段であるだけでなく、転倒時などに頭部を保護する役割もある大切なもの。最も長い学業課程のパートナーに対して、見事に我が子の身を守り学びの糧を運んで欲しいと祈念します。中学校や高校入学時の勧学祭を行っている神社では、通学鞄や自転車などをお祓いして子どもの安全と学業成就を祈念します。
初穂料の目安
神社によって異なりますが、多くの神社は1,000~5,000円ほどです。一律のところもあれば内容によって変動するところもあるため確認してみましょう。
全国の神社ではさまざまな催しがおこなわれる
勧学祭の目的は同じでも具体的な催しは神社によりさまざまです。全国にはさまざまな趣向の勧学祭をおこなう神社があるので紹介します。
防府天満宮
新入学児童に天神さまのご加護があるよう、願いとお祝いの気持ちを込めて小学校高学年のお兄さんやお姉さんが神楽舞「紅わらべ」を奉納。紅わらべとは、天満宮の御祭神である菅原道真公(幼少名:あこ)が5歳のときに詠んだ歌にかわいらしい舞をつけたものです。
『美しや 紅の色なる梅の花 あこが顔にもつけたくぞある』
大洲領總鎮守 八幡神社
新入学児童が稚児装束に着替えて、神門から社殿へと歩いて向かう。道中、保護者や一般の参拝者が子どもたちの晴れ姿を楽しみ、神事のあとに学問の神様である人麿神社、天満神社をお参りして学業成就を祈ります。
当時は春祭りを開催しており、神楽、雅楽、餅まきやバザーなどさまざまな催しが開催されます。
古熊神社
季節の花が当たる花みくじ、ちびっ子相撲、餅まきなど。
その他
そのほかにもさまざまな催しを開催する神社があります。
たとえば、小学校でもよくおこなわれるバザーを通じ学用品のリサイクルを推進したり、ものを大切にする気持ちを子どもたちへ伝えたりする神社、警察官による交通安全指導や実演などをおこなう交通安全教室を開催する神社などです。