神葬祭(しんそうさい)に参列する機会は、仏式の葬儀に比べると多くありません。そのため、どのような服装で行けばよいのか、焼香の代わりに何をするのか、と戸惑う方も少なくないでしょう。
このページでは、神葬祭に参列する際に知っておきたい服装・持ち物・作法・お悔やみの言葉などをまとめてご紹介します。神葬祭そのものについては神葬祭とは、儀式の流れについては神葬祭の流れのページもご参照ください。
服装・持ち物
服装
神葬祭の服装は、仏式の葬儀とほぼ同じと考えて差し支えありません。男性は黒の喪服(ブラックスーツ)に黒のネクタイ、女性は黒のワンピースやアンサンブルといった、いわゆる準喪服・略喪服を着用します。
持ち物で気をつけたい点
仏式との大きな違いとして、神葬祭では数珠や線香は使用しません。数珠は仏教の法具であるため、神葬祭の場に持参する必要はありません。香典袋やお供えについても、後述する御玉串料の形でお渡しするのが一般的です。
玉串奉奠(たまぐしほうてん)の作法
仏式の焼香に相当する、神葬祭ならではの儀礼が「玉串奉奠」です。玉串(榊の枝に紙垂をつけたもの)を神前にお供えし、拝礼を行います。
基本的な作法の流れは以下の通りです。
- 神職または係の方から玉串を両手で受け取る
- 玉串案(玉串を置く台)の前まで進む
- 玉串を時計回りに回し、根元を祭壇側に向けて案上に置く
- 二礼二拍手一礼の作法で拝礼する
- 数歩下がって一礼し、自席に戻る
「しのび手」という拍手の作法
拝礼の際の拍手は、通常の神社参拝とは異なり、音を立てない「しのび手」という作法で行います。両手を合わせる直前で止め、音を出さないように注意します。これは、お祝いの場ではなく弔いの場であることを示す作法です。
御玉串料(おたまぐしりょう)について
仏式の「御香典」にあたるものが、神葬祭における「御玉串料」です。
不祝儀袋の書き方
不祝儀袋の表書きには「御玉串料」または「御榊料(おさかきりょう)」と記します。蓮の花が印刷された袋は仏式専用のため避け、無地か双銀・黒白の水引のものを選びます。
金額の目安
御玉串料の金額は、故人との関係性や地域の慣習によって幅があります。一般的な香典の相場と大きく変わるものではないため、迷う場合は周囲の方や、頼れる年長者に相談するのもよいでしょう。
神式での言葉づかい
仏式と神式では、お悔やみの言葉にも違いがあります。「ご冥福をお祈りします」「成仏してください」といった言葉は仏教用語であるため、神葬祭の場では使いません。
神式でのお悔やみの言葉としては、次のような表現が用いられます。
- 「御霊(みたま)の安らかなることをお祈りいたします」
- 「御霊のご平安をお祈り申し上げます」
「冥福」「供養」「成仏」「往生」といった仏教由来の言葉を避け、「御霊」「安らか」「平安」といった言葉を使うのが基本です。
よくある質問
Q. 数珠は持参すべきですか?
不要です。数珠は仏教の法具であり、神葬祭では使用しません。
Q. 焼香はしますか?
行いません。焼香の代わりに、前述の玉串奉奠を行います。
Q. 「ご愁傷様です」は使ってよいですか?
「ご愁傷様です」は宗教を問わず使える一般的な言葉なので、神葬祭でも問題なく使用できます。
Q. 神葬祭は神社で行われるのですか?
行われません。神道では死を穢れとする考え方があるため、神域である神社の境内では神葬祭を執り行いません。自宅や斎場が会場となります。この点についての詳しい考え方は神葬祭とはのページで解説しています。
まとめ
神葬祭の参列マナーは、仏式と共通する部分も多くありますが、玉串奉奠やしのび手、御玉串料、言葉づかいなど、神道独自の作法もあります。事前にこれらを知っておくことで、落ち着いて参列することができるでしょう。
神葬祭全体の流れを知りたい方は神葬祭の流れ、神葬祭の基本的な考え方を知りたい方は神葬祭とはのページもあわせてご覧ください。
