神葬祭(しんそうさい)は、いくつもの儀式を順番に積み重ねていく葬儀です。それぞれの儀式には、故人の御霊(みたま)を慰め、家の守り神として祀り上げるための意味が込められています。
このページでは、ご逝去当日から葬儀後の直会(なおらい)まで、神葬祭の一連の流れを順番に解説します。神葬祭とは何かという基礎知識については神葬祭とはのページをご覧ください。
神葬祭全体の流れ
神葬祭は、大きく分けて「ご逝去当日」「通夜」「葬儀当日」「葬儀後」という4つの段階で進みます。
| 段階 | 主な儀式 |
|---|---|
| ご逝去当日 | 帰幽奉告・神棚封じ・枕直しの儀・納棺の儀 |
| 通夜 | 通夜祭・遷霊祭 |
| 葬儀当日 | 葬場祭・火葬祭・埋葬祭・帰家祭 |
| 葬儀後 | 直会 |
それぞれの内容を順番に見ていきましょう。
ご逝去当日に行うこと
帰天奉告(きてんほうこく)
家族が亡くなったことを、その家の祖先の神々や氏神様に報告する儀式です。神棚や祖霊舎(それいしゃ、先祖をお祀りする棚)に向かって、家族の代表者が故人の死を奉告します。
神棚封じ
帰幽奉告に続いて、神棚の扉を閉じ、白い半紙を貼って封じます。これは神道において死を「穢れ(けがれ)」とする考え方に基づくもので、神聖な神棚に穢れが及ばないようにするための処置です。神棚封じは忌明け(五十日祭)まで続けられますが、封じる期間や手順の詳細については[神棚の祀り方]のページで詳しく解説しています。
枕直しの儀(まくらなおしのぎ)
ご遺体を北枕(または地域の風習に応じた向き)に安置し、枕元に守り刀や米・水・塩などをお供えする儀式です。神職を招いて行う場合もあります。
納棺の儀(のうかんのぎ)
ご遺体を棺に納める儀式です。家族や近親者の手で、故人を丁寧に棺へとお納めします。
通夜に行うこと
通夜祭(つやさい)
仏式の通夜に相当する儀式です。神職が祭詞(さいし、祝詞のような祈りの言葉)を奏上し、故人の生前の徳をしのびながら、御霊の安らかならんことを祈ります。
遷霊祭(せんれいさい)
「みたまうつし」とも呼ばれる、神葬祭の中でも特に重要な儀式です。故人の御霊を、依り代(よりしろ)となる霊璽(れいじ、仏式の位牌に相当するもの)に遷す儀式で、一般的に明かりを消した暗闇の中で執り行われます。これにより、故人の御霊が霊璽に宿るとされています。
通夜祭と遷霊祭は、同じ日にまとめて行われることが多くあります。
葬儀当日に行うこと
葬場祭(そうじょうさい)
神葬祭における中心的な儀式で、仏式の葬儀・告別式に相当します。神職による祭詞の奏上、故人の経歴や人柄を称える祭文の奏上、参列者による玉串奉奠(たまぐしほうてん)などが行われます。玉串奉奠の作法については、参列マナーガイドのページで詳しく解説しています。
葬場祭は神社の境内ではなく、自宅や斎場で行われます。これは、死の穢れが神域である神社に及ばないようにするためです。
火葬祭(かそうさい)
火葬場に到着した際、火葬の前に行う儀式です。神職が祭詞を奏上し、火葬を執り行うことを御霊に奉告します。
埋葬祭(まいそうさい)
火葬後、遺骨を墓地に埋葬する際に行う儀式です。現代では、火葬後すぐに埋葬せず、忌明け(五十日祭)を待って埋葬祭を行うケースも増えています。
帰家祭(きかさい)
葬場祭や埋葬を終え、自宅に戻った際に行う儀式です。無事に儀式を終えたことを神々に奉告し、お祓いを受けます。
葬儀後に行うこと
直会(なおらい)
すべての儀式を終えた後、参列者や関係者で食事を共にする席です。神事において神様にお供えしたものを皆でいただくことには、神様の力をいただくという意味があるとされており、直会もその考え方に通じるものです。仏式の「精進落とし」に近い位置づけですが、神葬祭ならではの意味合いを持っています。
まとめ-葬儀後の祭祀についても知っておきましょう
神葬祭は、ご逝去当日から始まり、通夜祭・遷霊祭、葬場祭・火葬祭・埋葬祭・帰家祭、そして直会まで、いくつもの儀式が積み重なって成り立っています。それぞれの儀式には、故人の御霊を慰め、安らかに家の守り神となっていただくための意味が込められています。
神葬祭は、葬儀の儀式が終わった後も、五十日祭や一年祭などの祭祀が続いていきます。詳しくは[神葬祭後の祭祀-霊祭・式年祭]のページをご覧ください。また、参列される方は参列マナーガイドもあわせてご確認ください。
